木曽路・中山道そば屋めぐり|宿場町のそば屋「おぎのや」から湯川酒造、D51展示まで歩いてみた

旧中山道の宿場町「藪原宿」(やぶはらじゅく)にあるそば処「おぎのや」へ行ってきました。
せっかく藪原宿まで行ったので宿場町も少し散策。近くにある老舗酒蔵「湯川酒造店」に立ち寄ったり、中山道の面影が残る町並みを歩いたりしながら、木曽路ならではのゆったりした時間を楽しんできました。
宿場町の雰囲気が残る古民家そば処「おぎのや」で木曽路の蕎麦を味わう

信州木曽路にあるそば処「おぎのや」は、中山道の宿場町として栄えた藪原宿の中にあり、古民家を改装した風情ある佇まいが印象的なお店です。
藪原宿と奈良井宿の間にある鳥居峠は、木曽の自然や中山道の面影を感じながら歩けるのが大きな魅力の峠道として知られており、外国人観光客にも人気のハイキングコースになっています。
そのためか、「おぎのや」の店先にある案内にも英語表記が見られました。

店内に入って振り返ると、障子戸からやわらかな光が差し込み、落ち着いた雰囲気が広がっていました。

店内に入るとまず目に入るのが囲炉裏。囲炉裏を囲むように掘りごたつ式のテーブル席が配置されていて、木曽路らしい温もりを感じる空間になっていました。

古民家を改装した店内は、歴史を感じる趣深い造り。土間で靴を脱いで上がるスタイルで、見上げると吹き抜けの高い天井が広がり、開放感も感じられます。

メニューには、ざるそばやせいろなどの冷たいそばから、温かいそばまでさまざまな種類が並んでいました。

「とうじそば」は2人前からとなっています。蕎麦ぜんざいなどの甘味メニューのほか、一品料理や地酒も用意されていました。

注文したざるそばが運ばれてきました。香り豊かで、ふくよかな味わいとのど越しの良さが印象的なおそばです。

そばを食べ終わる頃合いを見計らって、手作りの梅シャーベットが運ばれてきました。さっぱりとした酸味が心地よく、食後にぴったりのデザートでした。

店内には、自家製の梅ソーダなどの案内も貼られていました。
宿場町の老舗酒蔵「湯川酒造店」からお六櫛、中山道一里塚へ|藪原宿を歩く
宿場町の老舗酒蔵「湯川酒造店」で「十六代 九郎右衛門」を

そば処「おぎのや」のすぐ近くには、老舗の造り酒屋「湯川酒造店」があります。
代表銘柄「木曽路」の木製看板と軒先に吊るされた杉玉が印象的で、宿場町の風景にも自然に溶け込んでいました。
歴史ある建物の佇まいからも、木曽の酒造りの伝統が感じられます。

店先には、酒蔵や併設カフェの案内板が掲げられており、こちらも英語表記の案内が。
途中で藪原宿から鳥居峠を越えて奈良井宿へ向かうと思われる外国人のカップルを見かけましたが、もしかしたらこの案内を見て立ち寄っていたかもしれません。

湯川酒造店の代表銘柄といえば「木曽路」ですが、「十六代九郎右衛門」は、世界で最も権威あるワインコンペティションのひとつであるIWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)のSAKE部門で2023で“Champion Sake”を受賞した銘柄としても知られるお酒です。
「十六代九郎右衛門」の「純米ひとごごち」の銘柄の方はまだ飲んだことが無かったので、今回は友人への土産分もあわせてそちらを買ってきました。
因みに鳥居峠という名前は、木曽義仲が平家討伐を祈願して鳥居を建てたという伝承に由来するといわれています。
また、1582年には織田軍と武田軍が激突した「鳥居峠の戦い」の舞台にもなった場所で、歴史好きにも興味深いスポットです。
木曽の伝統工芸「お六櫛」と中山道一里塚跡とD51蒸気機関車

藪原宿を歩いていると、宿場町の面影を感じさせる建物が今も点在しています。
こちらは「お六櫛問屋」の看板が掲げられた建物。「お六櫛」は、木曽谷に自生する「ミネバリ(峰張)」という硬く粘りのある木から作られる伝統工芸品で、江戸時代には、中山道を旅する人々のお土産として親しまれていたそうです。
「お六櫛」は職人が櫛の歯を一本一本丁寧に挽いて仕上げるため、折れにくく髪通りが良いのが特徴で、現在でも数軒の工房がその技術を受け継いでおり、製作技術は国の選択無形民俗文化財にも選ばれています。

藪原宿には、中山道の一里塚跡を示す碑も残されていました。そのすぐ横には、かつて中央西線を走っていたD51形蒸気機関車が展示されています。旧街道の歴史と鉄道の歴史が並んでいる光景が、とても印象的でした。

木曽路を走る中央本線は、急勾配や長いトンネル、急カーブが続く険しい路線として知られていました。
そのため、力強いD51形蒸気機関車が貨物輸送の主力として活躍し、1973年の電化までこの地を走り続けていたそうです。
今回訪れた藪原宿は、木曽路らしい落ち着いた空気が流れる宿場町でした。古民家を改装したそば処「おぎのや」で美味しい蕎麦を味わい、そのあとに宿場町を歩きながら酒蔵「湯川酒造」や歴史を感じる町並みを巡る時間は、ゆったりとして心地よく、静かで素朴な宿場町の魅力がある場所でした。

