【熊被害にあわないために】登山やキャンプを楽しむ楽しむための熊対策

熊の行動を理解してリスクを回避

 住宅地でも熊の目撃情報や被害が増え、山登りやキャンプ、釣りなどアウトドアライフを楽しんでいる最中に熊と遭遇したり、被害にあってしまったというニュースも以前よりずっと増えてきました。

 そこで、熊被害を回避し、安全にアウトドアでの活動を楽しむためのポイントや基本的な行動を紹介します。自然の中での感じる喜びや興奮は、安全かつ慎重な行動があってこそ、楽しめるものです。出かける前に安全対策について再確認しましょう。

1.熊の基本的な行動と生態について知っておこう

 熊の基本的な行動と生態について理解することは、アウトドアでの活動の安全性を高める上で重要です。一般的な熊の行動と生態について確認しましょう。
 基本的な知識をもっておくことで、山登りや釣り、キャンプなどの活動を楽しむ中で、熊と遭遇した際、熊の行動を理解し、リスクを最小限に抑えることも可能となります。
 熊の行動や性格について表形式で整理してみました。

性    格    

本来は人間を見ると逃げ出してしまうほど、用心深く臆病。
「急に人が現れてびっくりした時」「冬眠から目が覚め空腹状態の時」など、きっかけやタイミングでたちまち凶暴になってしまう。
・母熊は非常に保護的であり、子熊を危険から守るためには一心不乱に襲ってくる。


食   性

多くの熊は主に植物食で、草、果物、木の芽、果実などを摂取している。
雑食性で、魚類や小動物、昆虫も摂取する。
・度認識した食べ物への執着は強く、生きているうちに狙うことは少ないものの、新鮮な肉の味を覚えてしまうとそれを求めて積極的に狩りを行うようになる場合もある。


行動特性   

行動範囲は広く、食物を求めて季節ごとに移動する。季節によって、低地から高山、または川岸から別な川岸へと移動。
嗅覚が非常に優れている。数キロ離れた場所からでも食べ物や獲物を嗅ぎ分けることができる。
・冬は冬眠し、活動は春から秋にかけて。春は空腹状態で(母熊は冬眠中に出産した子グマを連れて)行動。

秋は冬眠に向けて体重を増やすために食べ物を探し求めるため、いつも以上に活動的になるため、この時期に熊に襲われることが多いので特に注意が必要。

そ の 他   
足が速く時速40~50キロで走り、機敏で木に登るのも得意。
執着したものに対しては追い続ける習性がある。
相手を威嚇する場合、体を大きく見せるようなポーズをとる。

2.熊との遭遇を防ぐための対策

 登山やキャンプなどのアウトドアでの活動を行う際に、熊との遭遇を防ぐためには慎重な行動が必要です。以下を参考に熊に遭遇しないための対策をとりましょう。

(1)訪れる地域の情報を事前に確認する

自分の行きたい山や川、キャンプ場などで、最近熊の目撃情報があるか、熊が生息している環境なのかを事前に調べておくことが大切です。各自治体も熊の出没情報を随時発信しているので、地域のホームページなどで調べておくことが大切です。

(2)できるだけグループでの行動をとる

 熊に対する脅威を減少させるために、可能ならばグループで行動することが望ましいです。大勢でいれば、熊が接近する可能性が低くなります。

(3)熊の痕跡を見たら注意する

  足跡、爪痕、フンなどの痕跡がある場所は、近くに熊がいる可能性が高いので充分注意しましょう。

(4)ベル(熊鈴)の使用などで音をたてる

 ベル(熊鈴)を装着することで、自分の存在を熊に知らせることができます。また、歩く際や進む方向に注意して足音をたて、声を出すことで熊に自分の存在に気づかせましょう。特に茂みが多い場所や曲がりくねった道では有効です。携帯ラジオやホイッスルも熊よけに効果的です。

(5)食べ物はしっかり管理する

 食べ物の匂いは熊を引き寄せる要因です。キャンプ場などでテント泊をする場合は、テント周りを清潔に保つことが重要です。食材や調理道具は密閉容器に保管し、食材の残りや食べかすを残さないように心がけましょう。寝る前には、調理の際に身につけた匂いや食べ物の香りを、可能であれば洗い流すことが大切です。難しい場合は消臭スプレーの使用も効果が考えられます。

 これらの対策を組み合わせて実践し、熊との遭遇を最小限に抑えるようにしましょう。

3.熊と遭遇してしまった時の対処法

 熊との遭遇は予測できることではありませんが、冷静な対応と正しい行動が重要です。遭遇時の基本的な行動を理解しておくことでリスクを最小限に抑えることができます。

 熊との遭遇時には、まず冷静であることが最優先です。驚きや怖れがあっても、急いで逃げることは熊を興奮させ、危険を招く可能性があります。 
 遭遇した状況によって異なる対処法があります。「遠くにいる熊を発見した時」「徐々に近づいてきた時」「突発的に遭遇した時」などそれぞれの状況に応じた対処法を知っておくことは自身の安全を守るうえでとても重要です。

(1)遠くにいる熊を発見した時

 熊に気づかれないようにその場をそっと離れましょう。
 熊に存在を気づかれている場合には、熊との距離を保ちながら、ゆっくりと後退しましょう。熊は逃げるものを追いかける習性があるため、走ったり、背中を見せ後ろ向きで逃げないようにしましょう。

(2)熊が徐々に近寄って来た時

 急がず、大きな動きを避け、熊を驚かせないように心がけます。遠くからでも穏やかに大声で話しかけるか、手や物をたたいて大きな音を立て、熊に自分の存在を知らせましょう。腕を広げて立ち上がり、できるだけ大きな姿勢を見せることも重要です。そして、できるだけ遠ざかり、安全な場所に移動します。

(3)熊に突発的に遭遇した時

 突然熊に遭遇した場合、まず冷静さを失わずに、急いで逃げないようにしましょう。静かに声をかけ、熊に対して退散するよう言葉をかけることも効果的です。急な動きは熊を興奮させる可能性があります。
 それでもなお、熊が近づいてきた場合は、熊に向かって声を大にして話すか、手や物をたたいて大きな音を立て、徐々に後退します。もし熊よけスプレーを持っている場合は使用を検討します。この際のためにも、スプレーの正しい使い方を理解しておき、携帯することがことが重要です
 もし、逃げることが不可能な場合は、うつ伏せになり、首の後ろに手を回し、首や顔、腹部の急所を守る防御姿勢をとりましょう。首や手首などの重要部位を守るようにザックなどで覆うことも有効な対処法です。

 キャンプ場でテント就寝中や、湖畔で釣りをしていて被害に遭遇したというニュースはアウトドアを楽しむ人たちにとってはもう他人事とは思っていられない状況になっています。
 熊と共存する中、被害にあわないためにも、正しい知識とマナーで、熊対策をしっかり行った上でアウトドアライフを楽しみましょう。

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