【北アルプス 唐松岳】雷鳥に出会えた日帰り登山
【 唐松岳 <北アルプス>】
標高は2696m。北アルプス後立山連峰の中ほどに位置し、剱岳、白馬岳、五竜岳などの雄峰が観望でき、日本三百名山に選定されています。
白馬村から出ているゴンドラやリフトを乗り継ぐと一気に標高1830mまで上がることができ、日帰りでの登山を楽しむことができます。
このルートは途中にある八方池までのトレッキングコースを楽しむ人たちも多く訪れます。
白馬山麓から「黒菱第3ペアリフト」を利用する
麓の白馬村からの唐松岳への登山ルートには、八方池山荘まで「八方ゴンドラリフト」を利用するか、「黒菱第3ペアリフト」を利用する方法があります。
昨年も訪れましたが、登り始める時間が大幅に遅くなり、ルート途中の丸山ケルンで引き返したという無念を経験しています。
原因は、紅葉シーズンが始まりだした週末であったため、向かった黒菱駐車場が既に「満車」表示されていて、ゴンドラリフト乗り場までやむなく引き返しとなったこと。
加えてゴンドラリフト乗場には、登山者や八方池までの観光客、さらにはパラグライダーの全国的な大きな大会も重なっていてその大会参加者も多くいて長蛇の列となっていたためです。
今回は、昨年の経験を踏まえ早めに黒菱駐車場に到着し、「黒菱第3ペアリフト」を利用して山頂を目指すことができました。
「黒菱第3ペアリフト」と「八方ゴンドラリフト」利用の場合を比較すると
コース | 利用リフト | 乗車 時間 | 料金 | 備考 |
八方ゴンドラリフト から | 八方ゴンドラリフト「アダム」 →アルペンクワッドリフト →グラートクワッドリフト →八方池山荘 | 約20分 | 3300円 大人往復 | 駐車場料金 (500円程度) |
黒菱第3ペアリフト から | 黒菱第3ペアリフト →グラートクワッドリフト →八方池山荘 | 約12分 | 1900円 大人往復 | 無料 |
黒菱第3ペアリフトを利用すると、費用が安くできるメリットがありますが、デメリットもあります。
いくつか考えられるものとしては
・黒菱第3ペアリフト乗場へは、八方ゴンドラ乗場のある白馬村中心エリアから「黒菱林道」で20分程時間がかかる。
・黒菱林道は急坂で見通しの悪いカーブが連続し、すれ違いが困難な場所もある。
・観光シーズンや週末には黒菱駐車場が早くに満車となってしまう場合があるなどがあげられます。
唐松岳日帰り登山へ登頂開始
黒菱第3ペアリフトと黒菱駐車場の様子
今回は早めに到着したことに加え、前々日から小雨が降ったり止んだりの天気と日本への台風の接近予想の影響などもあったためか黒菱駐車場の混雑はほとんどありませんでした。
今回の行程
9月7日(木)
黒菱第3ペアリフト発(8:25)→八方池山荘発(8:50)→第2ケルン(9:19)→八方池(9:28)→扇雪渓(着10:15-発(10:38)→唐松岳頂上山荘(11:20)→唐松岳山頂着(11:40)発(13:00)→八方池(14:28)→八方池山荘(15:18)→黒菱駐車場着(15:45)
黒菱第3ペアリフトを降り、「グワートクワットリフト」乗り場との間にある「鎌池湿原」では青空と山々も見えていましたが、八方池山荘を出発し標高が上がりだすと、山頂方面は厚い雲に覆われて、周囲もガスで視界が悪いという状況。
しかし晴れマークだった天気予報から、「きっと徐々に天候は回復し、山頂到着時には青空が広がり絶景パノラマを楽しめる」はず、との希望を胸に登り続けます。
鎌池湿原(標高1680m)
きれいな北側方面のみとはいえ青空が見えました
八方ケルン(標高2035m)
360°の山並みを楽しめるはずがガスで全く見えず
八方池(標高2060m)
湖面に映るはずの白馬三山は深い雲の中
雄大な山々の眺望に励ましてもらうこともできず、ひたすら登るだけの過酷な状況が続きますが、頭上の木々や草花を楽しみながら力をもらいます。
神の使い「雷鳥」に遭遇
そんな状態で歩き続けていると、突然「バタバタ」という音が耳に。音の鳴ったほうに目をやると、そこには「雷鳥」が! 会えました! 頑張って登り続けてきたご褒美 ^^) _
視界が開けない分、周囲の音や様子に注意が行っていたため、気づかずに通り過ぎるということがなかったのかもしれません。
「唐松岳頂上山荘」からへ唐松岳山頂へ
「唐松岳頂上山荘」へ到着したものの、登り始めた時に抱いた期待もむなしく、もう山頂での眺望をあきらめなくてはいけないというような状況でした。
一休みし出すも、景色もみえず、風も冷たいためいったん置いたリュックを背負い直し、頂上を目指します。
唐松岳山頂に歓声が沸く
唐松岳山頂へようやくたどり着いた充実感はあるものの、やはり360°真っ白という状況にテンションも今ひとつ上がりません。とりあえず記念の写真を撮り、昼食をとります。
すぐに下山しようかと思ったものの、朝の青空が見えていた「鎌池湿原」を思い出し、できるだけ粘ることとしました。
1時間程たった時、目の前に一瞬青空が見えたかと思うと、突然、立山方面に山々が広がり出し、五竜岳が大きく眼前に見えた時には山頂にいた人たちから感動の歓声が沸き起こりました。
この後一気に天候が好転するとはいかず、1分もするとまた元通りの一面真っ白に戻り、しばらくすると同じように雲が流れて、山々が見え、またすぐに消えるということが、数度繰り返されました。
もう少しとの思いもありましたが、午後1時となり下山を開始。結局、雲が消えることがなかった反対方面の景色は見ることはできませんでした。
しかし、わずかな時間とは言え、急に雲が流れて消え、目の前に山々が現れるという状況には、また違った感動があり、視界不良の中、頑張って登って来た二つ目のご褒美となりました。
所々で視界が開ける場所もあったものの、やはり白い雲の覆われた景色を見ながらの下山。しかしご褒美もいただき、充実した山登りの一日となりました。