【松本城周辺 散策】そば処「種村」と名水100選「源池の井戸」

 そば処「種村」は松本城から徒歩で10分ほど、中町通からは5分ほどの場所にあり、店の近くには松本市特別史跡で平成の名水100選に選定されている「源智の井戸」があります。

信州そば切りの店 そば処「種村」

 そば処「種村」は御岳山の麓に広がる開田高原産の玄そばを 石臼で自家製粉した手打ちそばの店で、こだわりの信州そばを味わえる「信州そば切りの会」による認定店です。

 ちなみに「信州そば切りの会」による「信州そば切り」とは、そば粉は長野県産のみ、つなぎの割合は30%以下、そば打ちのすべての工程が手作業で作られたそばのこととなっています。

 店内は、壁板からテーブルまでふんだんにヒノキを使っており、木の香りが漂い、席数はカウンターとテーブルで20席ほどあるようです。昼時を少し過ぎていましたがこの日はテーブル席は埋まっていました。

 木曽開田高原産のそば粉を使うのは「標高が高いので、皮が薄くて実の味が濃い」ためとのことです。そして、「いい粉でおいしいものを食べてもらいたい」と石臼の自家製粉機で丁寧に粉を挽くというこだわりのそば粉です。

 八割そば、十割そばにはそれぞれ、「並」「大盛」があり、さらに八割そばには「小盛」のほかに天守閣と書かれた「特盛」があります。
 一体どの程度の盛りの高さなのかとても気になるところです。

 メニューには、冷たいそばの他に「きのこかけそば」「鴨ねぎかけそば」「すんきそば」の温かなそばもあります。また、そばの実雑炊などがセットされた定食も用意されてます。
 「木曽御前」というセットメニューには、十割そば、イワナの炙り焼き、そばの実雑炊、そば豆腐、漬物、そばアイスがセットされており、観光で訪れた人たちに人気が高いようです。また、いわなの炙り焼き」は単品でもいただくことができます。

おしぼりとともに出される「そば茶」と「煮豆」

八割そばを注文しました。

 つゆは、「香りつゆ」と「甘みつゆ」の2種類がついてきました。
 このつゆで食べる前に、テーブルにある塩をざるに少し載せて、つけて食べてくださいと、店員さんが教えてくれました。

 まさに「そば」という感じの色とつやで、香りもコシもあり口の中でそばの風味が広がる美味しいそばでした。

そば処 種村

<住  所>松本市中央3丁目9−4
<電  話>0263-87-3218
<営業時間>平日11:00〜14:30 
    ( 金・土は17:30〜20:00も営業/日曜ランチ営業)
<定 休 日> 木曜日

平成の名水100選「源池の井戸」(まつもと城下町湧水群)

 周囲を高い山々に囲まれた松本の街なかには、美ヶ原高原などからの豊富な水量を誇る伏流水の地下水が脈々と流れていて、街を歩けばいたるところに井戸や湧水があり、それらを合わせた「まつもと城下町湧水群」は環境省による「平成の名水百選」にも認定されています。

飲料水として利用されている「源池の井戸」

 そば処「種村」のすぐ近くにある「源池の井戸」もその一つで、城下町成立以前から飲料水として使用されており、昭和42年には松本市特別史跡の指定も受けています。
 「種村」の十割そばも、石臼製粉機で細粒子にしたそば粉を源池の水を使用して打っていると店内に説明がありました。

 「源智の井戸」は、城主小笠原貞慶の家臣だった河辺縫殿助源智の持ち井戸だったことから源智の井戸とよばれるようになったものです。
 源池の井戸の水は毎分約200リットルの湧出量を誇り、地元だけでなく市内外の人々にも人気が高く、多くの方が水を汲みに来ています。

 松本市教育委員会による説明の掲示板があり、そこには井戸の由来や来歴がこう書かれています。
「この井戸は、市内の名水のひとつで、城下町が形成される以前から飲用水として使用されていました。所有者は、小笠原氏の家臣河辺与平左衛門源智でその名をとって「源智の井戸」と呼ばれるようになったと伝えられています。
 この井戸の周辺は女鳥羽川と薄川の複合扇状地で市内でも有数の湧水地帯です。天保十四年に刊行された「善光寺道名所図会」には、井筒の径は八尺、高さ九寸で「当国第一の名水」とあります。松本の町の酒造業者はことごとくこの水を使い、歴代の城主は不浄を禁ずる制札を出してこの清水を保護したといいます。」

「まつもと城下町湧水群」水めぐり

 松本水めぐりとして、「まつもと城下町湧水群」歩いて回る3つのコースが案内されています。「源智の井戸」は「水の生まれる街」という35分程で7つの湧水を回るコースに入っていて、他に「伊織霊水」「鯛萬の井戸」「日の出の泉薬祖水」などが近くにあります。

 「日の出の泉薬祖水」は松本薬業会館の敷地内にある「薬祖神社」の一角にありますが、薬祖神社には、「大洗磯崎神社」(茨城県)から御祭神として「大己貴命」と「少彦名命」が分霊されています。
 大己貴命は大黒様とも云われ、慈悲深く福徳を授ける神として、また少彦名命は医学の祖神として仰がれ、民を救う神として信仰されています。

 また時間を見つけて「時代とともに守られた水」「お堀の水をたどる」という他の2つの湧水を回るコースにある井戸や泉も含めすべての湧水を回りたいと思っています。

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